登壇者:飯田 豊、喜多千草、篠原資明
コメンテータ:久保田晃弘、藤幡正樹、三輪眞弘
ご一緒する先生方が豪華すぎて、今から緊張しています。篠原資明先生には先日、初めてお目にかかりました。喜多千草先生とは(研究領域が近いにも関わらず)まだ面識がないので、お目にかかるのが楽しみです。公式サイトはこちら。
問題提起者:辻 泉(中央大学)+ 土橋臣吾(法政大学)
討 論 者:飯田 豊(立命館大学)
司 会 者:伊藤昌亮(成蹊大学)
「ネットワーク社会」という言葉はこれまで、情報通信技術が普及した未来社会を展望するさい、頻繁に用いられてきた。しかしながら、すでに世界中にスマートフォンとソー シャルメディアが普及し、インターネットが社会基盤となった現代においては、この言葉の意味を批判的に再検討していくことが必要になってきている。
このワークショップでは、「ネットワーク社会」を歴史的に捉える視座を提起し、その射程について議論をしていく。かつて佐藤健二は「メディアの地層学」「コミュニケーションの社会的地層」という隠喩を用い、モノを手掛かりとしたメディア史という領域を指し示した。これにならい「ネットワーク社会の地層史」という観点のもと、おもに日本における鉄道、電信電話、自動車、テレビ、そしてインターネットなどのネットワークをめぐる技術革新に、ナショナリズムやリージョナリズムなどが複合的に作用した歴史に焦点をあてる。
『鉄道旅行の歴史』(1977年)を著したヴォルフガング・シヴェルブシュが指摘したように、鉄道を生物体に喩えると電信は神経系統であり、車窓に沿って飛び去っていく電柱と電線の背後に、19 世紀の鉄道旅行者は風景を見た。また、マーシャル・マクルーハンやレイモンド・ウィリアムズなど、自動車とテレビの相互関係に着目していた研究者も少なくないように、〈交通(transport / traffic)〉と〈通信(communication)〉のネットワークは互いに分かちがたく結び付いている。
そこで具体的には、あくまで便宜的かつ操作的な区分ではあるが、〈鉄道交通〉や〈マスメディア〉がつくるネットワークの地層について辻泉が、〈自動車交通〉や〈デジタルメディア〉がつくるネットワークの地層について土橋臣吾が、それぞれの特性を対比させながら一体的に問題提起をおこなう。
辻については、これまで、〈鉄道交通〉や〈マスメディア〉が作り出す「ネットワーク社会」に関連して、いくつかの業績を積み重ねてきた。問題提起においては、19 世紀から20 世紀にかけての、ナショナリズム、帝国主義などと関連したその様相を展望することとなろう。
土橋については、これまで〈デジタルメディア〉を中心に、「移動の社会学(J・アーリ)」 に関連して、いくつかの業績を積み重ねてきた。20 世紀から 21 世紀にかけての、グローバリゼーションなどと関連したその様相を、辻の問題提起に続いて展望することとなろう が、その両者については、違いや断絶を強調するだけでなく、むしろ連続する面もあることなどを多層的に検討していきたい。
最後に、討論者はメディアの技術史などに取り組む飯田豊が務める。飯田は、こうしたもろもろのメディアについて、歴史的な観点から業績を積み重ねてきており、俯瞰した視点から討論を活発化していくうえで、最適の人選と言える。
以上のように、これらのネットワークが重層的に編み上がっていることを示したうえで、 各参加者の問題関心を踏まえながら、現代社会の様相を浮かび上がらせることを目指したい。
マス・コミュニケーションの祝祭から、情報メディアが多重的に媒介する〈生〉の集合体験へ。グローバル時代におけるイベントの諸相。
日本とドイツの〈パブリック・ビューイング〉の受容経験、マスメディアとSNSが支える〈ロックフェス〉、ゲーセンを起源とする〈ゲーム実況〉という動画文化、日本製アニメのネット流通が生んだ中国の〈動漫祭〉、紙の冊子=〈ジン〉を交換しあう場づくりの哲学などを通じて、「メディア」と「イベント」の機制の変容を問う。
このたび、6月に『変貌するミュージアムコミュニケーション:来館者と展示空間をめぐるメディア論的想像力』(せりか書房)を出版された光岡寿郎氏をお招きし、同書の合評会を開催することとなりました。同書は、英米圏のミュージアムにおけるコミュニケーション概念の歴史的変遷を描き、ミュージアムを多様なコミュニケーションを媒介するメディアの構造体<メディア・コンプレックス>として捉え直したものです。評者には、それぞれメディア研究、ミュージアム研究、学習研究と異なる研究分野を持つ皆さんにご登壇頂き、ご自身の問題関心に沿って、論点の共有を図ってもらいます。その後は、光岡氏からの応答に留まらず、参加者の皆さんと活発な意見交換ができればと考えています。本会は、公開研究会です。ミュージアムをフィールドに、まさに学際的な議論が展開されるはずですので、奮ってご参加ください。
日時:2017年8月5日(土)15:00-17:00
場所:東京大学本郷キャンパス 福武ホール1階 会議室
赤門を入って左折。手前に見えるコンクリート建築の一階。会場は施錠されておりますので、時間に遅れる方は問い合わせメールアドレスまでご連絡下さい。詳細:http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access/
登壇者:評者 飯田豊(立命館大学産業社会学部准教授)潘夢斐(東京大学学際情報学府博士課程)杉山昂平(東京大学学際情報学府博士課程)応答者 光岡寿郎(東京経済大学コミュニケーション学部准教授)司会 藤嶋陽子(東京大学学際情報学府博士課程)
主催 東京大学大学院学際情報学府学生有志(藤嶋陽子・潘夢斐・杉山昂平)/KoSAC
参加無料・一般参加歓迎(会場準備の都合上、下記まで事前のご連絡をお願いいたします)※終了後、懇親会を予定しております。(本郷周辺)
申し込み方法7月28日までに、下記の問い合わせ先アドレスに下記を記載のうえお申込み下さい。1 お名前 ②ご所属 ③連絡先emailアドレス ④懇親会参加の有無問い合わせ先 藤嶋陽子 yokofujishima[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp