2013年10月25日金曜日

【シンポジウム】11/16(土)「ラジオのメディア・エコロジー」(於:YCAM=山口情報芸術センター)



10周年を迎えたYCAM(山口情報芸術センター)にて「Media Ecology of Radio(ラジオのメディア・エコロジー)」というシンポジウムが開かれます。僕も企画から参加させてもらっています。ぜひお越しください!

一部のワークショップをのぞいて事前申込みは不要ですが、もし可能であれば、Facebookのイベントページで参加表明をお願いします。


概要 Abstract:

デジタル化やインターネットの普及、ソーシャルメディアなど新しいサービスの登場によって、メディア環境が大きく変化しつつあります。これは、単に新しいメディアが登場するということだけではなく、既存のメディアの関係性――「メディアエコロジー」とでも呼ぶべき――を変容させ、古いメディアを新しく位置づけ直しつつあります。このシンポジウムではラジオというメディアに焦点をあて、それが現在どのような文化的意義をもっているのかを議論します。
当日はぜひラジオをもってお集まりください! ラジオを通してラジオを語り合います。


主催 Organizer:
科学研究費基盤A「社会システム<芸術>とその変容:現代における視覚文化/美術の理論構築」(代表:長田謙一)

共催 Co-organizer:
YCAM(山口情報芸術センター)
MAGNET(Media, Action, Glocal Network)
ライブラリーラジオ・コミッティ(Library Radio Committee)

公式情報 Media:
MAGNET website
Media Biotope Shin Mizukoshi lab website
twitter #radiosympo

プログラム Program(随時更新します):

Date: 2013年11月16日(土)
Venue: 山口情報芸術センター(YCAM)
〒753-0075 山口県山口市中園町7-7 TEL: 083-901-2222

□ Workshop 1「ボイスアーカイブ・ワークショップ」 10:00-12:00
 YCAMに来られたみなさんの声や音を録音、YCAM内ラジオ(ライブラリーラジオ)やSessionで放送していきます。音や声をメッセージにしたり、じっくり聴いたりする体験を通してラジオを考えてみましょう。どなたでも参加できます。
 ・主催:ライブラリーラジオ・コミッティ
 ・事前申込み:不要
 ・参加費:無料

□ Workshop 2「身近なものをラジオにしてしまおう!」 13:00-15:00
 ファミコンやビデオデッキをラジオ送信機にしてしまおう! 新進気鋭のラジオ・アーティスト、毛原大樹さんといっしょに身近なもので小さなラジオをつくり、それを使って音声を受け取る「メディア遊び」をおこないます。
 この時間は当初、ワークショップ「粉川哲夫とラジオ送信機をつくろう!」を開催予定でしたが、主催者側の都合により、ワークショップ内容を変更させていただくことになりました。参加を予定されていました皆様には心からお詫びを申し上げます。

□ Session 1「ラジオ生態系の遷移」 15:00 -16:30
 日本のマスメディアとしてのラジオ、コミュニティ・メディアとしてのラジオに複眼的に焦点をあて、現場の実践を踏まえながらその現在、過去、未来を語り合います。セッション自体がラジオ放送される、つまりラジオのなかでラジオを語る予定。

登壇者=出演者
 ・飯田 豊(立命館大学:MAGNET)
 ・金尾雅彦(RCC中国放送
 ・毛原大樹(ラジオ・アーティスト)
 ・土屋祐子(広島経済大学:MAGNET)
 ・林田真心子(福岡女学院大学:MAGNET)
 ・毛利嘉孝(東京藝術大学)
 ・YCAMライブラリーラジオ・コミッティ
司会
 ・水越 伸(東京大学)

□ YCAM内ラジオ放送など 16:30-17:30

□ Session 2「ラジオの身体・ラジオの政治」 17:30-19:00
 現在「ラジオアート」と呼ばれる領域ではどのような実験が起きているのだろうか? 今この半径数メートルで起きていることが一気にグローバルに拡がることの可能性とその課題をラジオの実験、実践を通じて体験しつつ、ラジオと表現、そして身体と政治の関係を考える。こちらもセッション自体がラジオ放送される予定。

登壇者=出演者
 ・クヌット・アウファーマン Knut Auferman(在ベルリン・アーティスト、ネット参加)
 ・マシュー・フラー Matthew Fuller(ロンドン大学、ネット参加)
 ・飯田 豊
 ・毛原大樹
 ・水越 伸
司会
 ・毛利嘉孝(東京藝術大学)
通訳
 ・鶴本花織(名古屋外国語大学)

2013年10月1日火曜日

【編著】『メディア技術史 ―デジタル社会の系譜と行方』(北樹出版、2013年)


飯田豊(編著)『メディア技術史 ―デジタル社会の系譜と行方』(北樹出版、2013年)という本をつくりました(→Amazon)。メディアの技術発展を素朴な進歩史観に基づいて説明するのではなく、メディアの現代状況を深く考察するための手段として、歴史的な視座を身につけることができるような書き方を心がけました。執筆者はいずれも、単にメディアの歴史に詳しいだけでなく、デジタル化されたメディアのアーキテクチャやリテラシーの行方に関心を抱いている研究者ばかりです。「メディア史」や「メディア技術史」に関心のある読者はもとより、「メディア論」や「情報社会論」の一環として広く読んでいただければ幸いです。


[目次] 
1.技術としての書物 ―紙の本vs電子本への古くて新しい回答(柴野京子)
2.写真はどこにあるのか ―イメージを複製するテクノロジー(大久保遼) 
3.映画の歴史を巻き戻す ―現代のスクリーンから映画の幼年時代へ(大久保遼)  
4.音楽にとっての音響技術 ―歌声の主はどこにいるのか(谷口文和) 
5.声を伝える/技術を楽しむ ―電話・ラジオのメディア史(溝尻真也) 
6.テレビジョンの初期衝動 ―「遠く(tele)を視ること(vision)」の技術史(飯田豊) 
7.ローカルメディアの技術変容 ―ミニFMという実践を補助線に(和田敬)  
8.文化としてのコンピュータ ―その「柔軟性」はどこからきたのか(杉本達應)  
9.開かれたネットワーク ―インターネットをつくったのは誰か(杉本達應)  
10.手のひらの情報革命 ―携帯からケータイへ(木暮祐一、飯田豊) 
11.誰のための技術史?―アマチュアリズムの行方(飯田豊)